毎月第2週に勉強会を行っています。今月の担当は栄養士でした。
私たちが住んでいる日本では、四季のはっきりした変化や地形の多様性を背景として、豊かな食材をもたらす自然文化を敬い、
独自の食文化である「和食」を育んできました。2013年にユネスコ無形文化遺産に認定された「和食」とは、自然の尊重という
日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣習」と、農林水産省から紹介されています。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/
バランスが良く、低脂肪低カロリー、腸内環境を整える発酵食品も豊富な和食は、世界の中でも理想的な長寿健康食として
認知されています。ただ、栄養士の観点からは、「塩分が多い」という落とし穴が残念ながらあります。
このため、日本人には高血圧や脳卒中が欧米に比べて(割合が)多くなっているのです。
前置きが長くなりましたが、今回のテーマは「地中海食について」です。
1985年にアメリカのミネソタ大学の研究で、地中海沿岸の国では高脂肪食を食べているにもかかわらず、血中コレステロール値が低く、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などの冠動脈疾患が少ない事が判明し、地中海食が注目されるようになりました。
地中海食で豊富に使用するオリーブオイルは、不飽和脂肪酸を多く含んでいることや飽和脂肪酸を多く含む肉の摂取量がすくないこと、野菜や果物などの植物性の食品を多く摂取するために抗酸化作用が強いことなどが、健康に良い理由であると考えられています。
現在も世界中で地中海食の健康効果が検証されており、これまでに、地中海食には
①肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防・改善に有用
②心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を予防
③認知症の予防 などの多くのエビデンスが存在します。
今回の勉強会で、広く職員の間で地中海食が認知され、病気に携わる我々自身の健康意識改革に繋がれば、幸いです。